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オミオツケさんも小さく笑みを浮かべて言う。
「今、準備してるんでそこにある物食べて待っててください」
そう言ってレンレンはいつもの二人席を指差す。
テーブルの上には小さなマグカップ付きの水筒とふんわりと膨らんだ表面に赤茶色のお豆が混ぜ込まれたマフィンが載っていた。
「アズキのマフィンとこの前のハーブティーです。相性ばっちりなんで良かったら」
オミオツケさんは、あまりに美味しそうなマフィンに思わず目を奪われる。
「ひょっとして……手作り?」
「はいっ。今度レンレン定食でプチスイーツで出そうかと」
と、言うことはアレルゲン除去の料理。
しかし、見た目からはとてもそんな風には見えない。
「どうぞ召し上がってください」
レンレンの甘美な誘惑にオミオツケさんは負けて席に座ると手を合わせて「いただきます」と言ってアズキのマフィンを千切って口に運ぶ。
甘い……。
アズキ特有の上品な甘さと生地のほんのりとした優しい甘みが重なりあう。アレルゲン除去と言うが何が抜けてるのか分からないくらい生地は柔らかく、香りもいい。
水筒に入ったハーブティーも相変わらずいい匂いで美味しい。
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