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オミオツケさんは、レインコートを着ながら聞き返す。
「はいっ」
レンレンも同じようにレインコートを着る。
「前回でみそ汁自体に反応することは分かりました。次はみそ汁の何に反応するかを見ていきましょう」
オミオツケさんは、意味が分からず顔を顰める。
「まずはコレです」
そう言って具なしのみそ汁を指差す。
「この具なしのみそ汁。もしこれに反応しなかったらオミオツケさんは具に反応していたことになります」
なるほど。
オミオツケさんは納得する。
つまり、みそ汁を作る工程の中に反応するものがあるのではないか、とレンレンは言ってるのだ。
そんなこと……考えたこともなかった。
オミオツケさんは、レンレンの発想に舌を巻く。
「それじゃあさっそく始めましょう」
レンレンの言葉にオミオツケさんは頷く。
具なしのみそ汁は、お椀の中で球状にまとまるとそのままポンッと飛び出して宙に浮かぶ。
右と左の上が摘まれた土地のように伸び、中心に大きな目と半月のような大きな口が現れ、何とも可愛らしいキャラクターに変貌する。
「星屑のカッピー」
レンレンは、ぼそりと呟く。
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