7人が本棚に入れています
本棚に追加
レンレンは、そのヒーローを見て間違いなくアズキマフィンを見て想像したのだろうと思い、それが正解であると告げんばかりにオミオツケさんは両手で顔を覆って何かを振りちぎるように顔を横に振る。
パンの頭を持ったヒーローは、ずんぐりとした右手を思い切り回してレンレンに向かって飛んできて〜〜パーンチと言わんは分かりにレンレンの胸に手を当てて、弾けた。
レンレンは、みそ汁で汚れたレインコートの胸元を見てぽそりっと呟く。
「オミオツケさんって可愛いですね」
「もうやめて……」
オミオツケさんは、恥ずかしさに弾けそうになる。
「これで何が分かるの?」
しかし、レンレンはオミオツケさんの質問に答えず、ペーパータオルでレインコートを拭き取ると厨房に入り、少ししてから新しいお椀を持って出てくる。
オミオツケさんは、怪訝な顔をする。
お椀もそうだが、何故かレンレンはもう一つの手を背中に回していた。
「これを」
そう言ってテーブルに置かれたお椀の中身は関西風のうどん出汁のような薄い黄色がかった汁物だった。
「ブレイクしましょう」
レンレンは、和かに言う。
「飲んでください」
最初のコメントを投稿しよう!