第五話

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 オミオツケさんは、意味が分からず眉を顰める。 「えっ……どういう……?」 「いいから飲んでください」  和やかな笑顔から放たれる圧にオミオツケさんは気押されし、仕方なく器を持って口に付けた。 「……美味しい」  まろやかな鰹の出汁が身体にじんわり染み込んでいく。  僅かに塩の味がするがそれが出汁本来の旨味を引き出している。 「どうですか?」  レンレンは、じっとオミオツケさんを見る。 「凄く美味しい!」  オミオツケさんは、表情柔らかく答える。 「うちのお母さんが作るお吸い物より美味しい!」 「それは良かった」  レンレンは、嬉しそうに笑うと後ろに回していた手を前前に出す。  それもお椀で、しかし中に入っていたのは茶色い柔らかな固形物だった。  オミオツケさんは、思わず引く。 「アレじゃありません」  オミオツケさんの露骨な反応にレンレンは、きつく目を細める。 「お味噌です」  お味噌⁉︎  オミオツケさんは、まじまじと覗き込む。  確かにお味噌だ。  綺麗な明るい茶色のお味噌。 「持てますか?」 「?大丈夫だよ」  そう言ってオミオツケさんは、お味噌の入ったお椀を持つ。
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