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オミオツケさんは、意味が分からず眉を顰める。
「えっ……どういう……?」
「いいから飲んでください」
和やかな笑顔から放たれる圧にオミオツケさんは気押されし、仕方なく器を持って口に付けた。
「……美味しい」
まろやかな鰹の出汁が身体にじんわり染み込んでいく。
僅かに塩の味がするがそれが出汁本来の旨味を引き出している。
「どうですか?」
レンレンは、じっとオミオツケさんを見る。
「凄く美味しい!」
オミオツケさんは、表情柔らかく答える。
「うちのお母さんが作るお吸い物より美味しい!」
「それは良かった」
レンレンは、嬉しそうに笑うと後ろに回していた手を前前に出す。
それもお椀で、しかし中に入っていたのは茶色い柔らかな固形物だった。
オミオツケさんは、思わず引く。
「アレじゃありません」
オミオツケさんの露骨な反応にレンレンは、きつく目を細める。
「お味噌です」
お味噌⁉︎
オミオツケさんは、まじまじと覗き込む。
確かにお味噌だ。
綺麗な明るい茶色のお味噌。
「持てますか?」
「?大丈夫だよ」
そう言ってオミオツケさんは、お味噌の入ったお椀を持つ。
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