7人が本棚に入れています
本棚に追加
当然だが何も起きない。
「前も言ったけどみそ汁以外では何も起きないの。だからお味噌を持ったって……」
オミオツケさんは、言いかけた口を閉じる。
レンレンがあまりにも真剣な顔をしていたから。
「……なるほど」
レンレンは、顎を擦りながら厨房に戻っていく。
コンロの前に立ち、鍋に火をかけ、ゆっくりとお玉をかき混ぜながら何かを作り始める。
オミオツケさんは、気になって覗くも距離があって何をしてるか分からず、匂いを嗅ごうともみそ汁の香りが強くて分からない。
仕方なくオミオツケさんは、元の位置に戻って椅子に座って待った。
十分ほど経過し、お椀を持ってレンレンは戻ってくる。
「お待たせしました」
そう言ってレンレンが置いたお椀の中身は……。
「コーンスープ?」
オミオツケさんの前に置かれたのは鮮やかな黄色のコーンスープであった。
確か食堂のB定食の人気メニューと言っていた……。
いや、普通のコーンスープよりドロっとした感じが強いように感じる。
「どうぞご賞味ください」
レンレンは、和かに頭を下げる。
「レンレン君?」
「美味しいですよ」
レンレンは、穏やかに微笑む。
最初のコメントを投稿しよう!