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しかし、その目から汁物の時のような強い想いが感じられた。
きっと何か考えがあるんだ。
オミオツケさんは、レンレンを信じ、お椀を持って口を付けた。
不思議な現象が起きた。
傾けてもコーンスープが入ってこない。と、言うよりもよくよく見るとこれはコーンスープではない。
コーンスープに似た膜だ。
オムライスを包む卵のような。
鮮やかな黄色の幕にコーンの粒が添えられた。
え……っ?
オミオツケさんが疑問を抱くと同時に膜の隙間から液体が流れ、口の中に入ってくる。
まろやかな風味と甘味、そして深い出汁の味……。
これは……まさか……。
オミオツケさんが液体の謎に気づいた瞬間、お椀が激しく揺れ出す。
オミオツケさんは、驚いて思わず手を離す。
お椀は、そのまま床の上に落下するも黄色い膜を羽織るように茶色の液体、みそ汁は浮かび上がっていた。
みそ汁は、ゆっくりと形を変えて少女の姿に変化し、黄色い幕は千切れ、歪んで少女の身体を包む鎧となり、大きな鉈となる。
それはまさにオミオツケさんの好きなライトノベル"エガオが笑う時"の主人公、エガオの姿だった。
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