第五話

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 しかし、その目から汁物の時のような強い想いが感じられた。  きっと何か考えがあるんだ。  オミオツケさんは、レンレンを信じ、お椀を持って口を付けた。  不思議な現象が起きた。  傾けてもコーンスープが入ってこない。と、言うよりもよくよく見るとこれはコーンスープではない。  コーンスープに似た膜だ。  オムライスを包む卵のような。  鮮やかな黄色の幕にコーンの粒が添えられた。  え……っ?  オミオツケさんが疑問を抱くと同時に膜の隙間から液体が流れ、口の中に入ってくる。  まろやかな風味と甘味、そして深い出汁の味……。  これは……まさか……。  オミオツケさんが液体の謎に気づいた瞬間、お椀が激しく揺れ出す。  オミオツケさんは、驚いて思わず手を離す。  お椀は、そのまま床の上に落下するも黄色い膜を羽織るように茶色の液体、みそ汁は浮かび上がっていた。  みそ汁は、ゆっくりと形を変えて少女の姿に変化し、黄色い幕は千切れ、歪んで少女の身体を包む鎧となり、大きな鉈となる。  それはまさにオミオツケさんの好きなライトノベル"エガオが笑う時"の主人公、エガオの姿だった。
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