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第六話
「鍵は認識と思い込み?」
オミオツケさんは、みそ汁で汚れたテーブルを拭き終えた付近を流しで固く絞りながら言う。
「はいっ」
その隣で使い終えたお椀を洗いながらレンレンは頷く。
そして先程までの行動の説明をする。
「具のないみそ汁の後に出したのはみそ汁ではなかったんです」
レンレンの言葉にオミオツケさんは目を大きく開ける。
「正確には出汁を入れてない味噌のとぎ汁です」
つまりはみそ汁であってみそ汁ではない紛い物だ。
「だけどオミオツケさんはアレをみそ汁と認識した。逆に最初のみそ汁で作った出汁で作った吸い物には反応しない。それに味噌本体を持っても反応しない。つまり材料に反応しているわけではないということ。そうなると考えられるのは唯一つです」
「唯一つ?」
オミオツケさんは、布巾の皺を綺麗に伸ばしながら首を傾げる。
「はいっ」
レンレンは、シンクにお椀を置いて和やかに笑みを浮かべる。
「見た目です」
レンレンの言葉にオミオツケさんは雷をツムジから食らったような衝撃を受ける。
「あのコーンスープのシートを乗せたみそ汁が飲めたのがその証拠です」
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