第七話

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第七話

 オミオツケさんが食堂に入ると五つのお椀がテーブルに並んでいた。  コーンスープ、コンソメスープ、玉子スープ、お吸い物、そしてみそ汁。  オミオツケさんが来る前に作ったのだろう、もう中身は冷めているようだった。  レンレンは、ゴム手袋をはめた手で制服の上に身につけたエプロンを外すと和かにオミオツケさんに微笑む。 「こんにちはオミオツケさん」  そういえば今日は会うのが初めてだったっけ? 「こんにちは……レンレン君」  オミオツケさんは、普通に挨拶したつもりだったがその声が少し固かった。  レンレンは、それに気付き眉を薄く顰める。 「どうかしました?オミオツケさん?」  レンレンは、心配げに言う。  オミオツケさんは、レンレンが心配しているのに気づくも首を横に振り、小さく唇を釣り上げる。 「なんでもないよ。レンレン君」  そう言ってオミオツケさんは、テーブルに並んだ五つの汁物を見る。 「今日は何をするの?」 「はっはい」  オミオツケさんに促され、レンレンもテーブルに目を向ける。 「今日は少し特訓をしてみようと思います」 「特訓?」  オミオツケさんは、眉を顰める。 「はいっ」
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