第十話

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「……生まれてきてごめんなさい……」  レンレンは、嘆くように小さく呟く。  オミオツケさんは、何を言ってるか分からず眉どころか顔中を顰める。 「ねえ、早く行かない?」  そう言って駅から少し離れた所に建つ大型のショッピングモールに目を向ける。  数年前に駅前に出来た円注のホテルのようなショッピングモールは老若男女に人気の衣料品ブランドだけでなく、フランチャイズから海外で人気のレストランやファーストフード、雑貨から幼児向けのアトラクションまで箱詰めするように揃えられている。その中でも人気なのが映画館で最新の映像設備はもちろんのこと、空調、空間、座席、映画の種類やフード、ドリンクに至るまで拘りに拘り抜いており、度々朝の情報番組やネットにも登場しており、映画に合わせたイベントなども企画している。  そして現在、映画館で実施しているイベントが……。 「楽しみだね、エガオが笑う時のコラボカフェ!」  オミオツケさんは、興奮して言う。
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