告白したい!

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「わあ! すごい! お城見える!」  中村くんが予約してくれていたのは、なんとテーマパークに併設されている高級ホテル。  まさかこんなに豪華な部屋をとってくれているなんて思いもしなかったから、驚きと感動を隠せない。 「ダメ元で予約したらさ、奇跡的にキャンセルが出たんだ」  なんてことのないように笑う中村くんに、またもや涙腺が緩む。 「ありがとう……こんな……」 「泣くなよ。張りきるの当たり前でしょ? ……その……初デートなんだし」  恥ずかしそうに語尾を濁す彼が愛しくて、ますます涙が止まらない。  ふわりと抱き包まれて、そっと身を預けた。  見つめ合ってキスをして。 「先、シャワー浴びる?」  色っぽい声が耳元に響いて、ドキドキしながら頷く。  ……いよいよだ。  今日こそ絶対に最後まで成功させる。  ギクシャクした足取りでバスルームに向かった。   「わあ!」  服を脱いで浴室に入るなり、再び感嘆の声を上げる。  お風呂はなんとジャグジーで、中村くんのはからいなのか薔薇の花びらが浮かんでいる。  シャンプーやボディソープのラインナップも豊富で、見ているだけで心が弾んだ。   「素敵! どこもかしこも綺麗! 可愛いー!」 「良かった」 「ホントに! ……え?」  背後から声がして目を見開く。  恐る恐る振り向くと、全裸の中村くんが仁王立ちしていて心臓が飛び出そうになった。 「ななな中村くん!?」  どうして彼も浴室に!?  錯乱状態に陥るも、無意識に注目してしまうのは彼の下半身で…… 「高嶺の花ー!」 「高嶺?」  思わず絶叫してしまうほどの大きさだった。 「……いい眺め」  そして自分も一糸纏わぬ姿であることを思い出し、慌てて腕や手で身体を隠す。 「ちょっと、中村くん! なんで……」 「ごめん。やっぱり一緒に入りたくて」 「一緒に!?」  そんなのハードルが高すぎる。 「こんなに明るいのに……」 「だったらこれは?」  そういって彼は壁についているスイッチを調節し、灯りを小さくした。  確かに少しは暗くなったけど、それはそれで何だか卑猥だ。 「お願い。一緒に入りたい」  そんなふうに甘えた声で囁かれ、後ろから抱き締められると、もう断れない。 「洗ってあげるね」  既に主導権を握られ、促されるまま椅子に腰かけた。  
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