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「私こそありがとう。真琴がいなかったら今の私はいなかったと思うわ」
その時、真琴の携帯から電話の着信音が鳴り始めた。
「もう!こんな時に誰よ…あ」
私は誰から来たか容易に想像がついた。
「じゃあ、私戻るね?本当にありがとう、真琴」
「香澄…元気でね」
真琴はそこまで言うと電話に出たから、私達は手だけ振り合って別れた。
真琴…渡辺くんとお幸せにね。
真琴の話し声を背中に聞きながら私は荷造りの続きをしようと家へと向かう。
いつか2人が結婚式に呼んでくれる事を楽しみにして。
その時は心の中だけじゃなくて、言葉にして2人を祝福しよう。
そして、私もお嫁に行く時は、お父さんとお母さんに、とびきりの感謝の気持ちを伝えるの。
血の繋がりなんて親子愛の前では関係ないって真琴が教えてくれたから。
私は家に戻ると「ただ今」とだけ言って自室に向かう。
荷物の中に、両親との写真と真琴との写真が貼ってあるアルバムを忘れずに入れた。
私と真琴は、それぞれの新たな一歩を踏み出しながらも、絆は決して揺るがなかった。
私達の友情が、未来への希望と勇気を与えてくれたから。
そして物語は『女遊びをした末に』https://estar.jp/novels/26010454に続く
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