打ち明けられる親友

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「なら良かったわ。…香澄」 「え?」 「ご両親が香澄の出生の事を話してくれるまでは今まで通り、仲良く暮らしてね?」 私は真琴の言葉に今度は自然な笑顔で頷いた。 意図せずに4日間も真琴の部屋に居させてもらったお陰で、心のパニックが治ったかのよう。 「ええ、ありがとう。真琴、明日、学院でね!」 私達は手を振り合うと、部屋のドアをそっと閉めた。 それから、いつ両親から話をされるのか、分からなかったけど、平穏で幸せな日々は、今まで通り日常となって私の生活として根付いていた。 学院では真琴達とお喋りしたり、一緒に、授業で出た課題に取り組んだり。 家ではお母さんの作ってくれたご飯を食べたり、休日はお父さんが話してくれる話題を聞いたり。 そんなある休日の午後、エアコンの効いた快適な書斎で、お父さんが興味深い話を聞かせてくれた。 「香澄には、まだ早いと思って話してなかったが諸橋家には、この家ともう一軒、古い屋敷があるんだ」 「お屋敷?住む事は出来るの?」 「掃除をして、ライフラインを繋げば出来るぞ。ここからも、そんなに遠くないしな」 私達家族の諸橋家に、そんなお屋敷があるとは夢にも思っていなかった。 私は必要性を感じていないけど、真琴が独り暮らしは自由にやらせてもらっているって言ってた記憶がある。
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