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「あ…うん。華村さん」
「真琴で良いわよ。何?」
「良かったら、連絡先を交換してくれないかな?今日は無理だけど、今度お礼したいんだ」
私は男性…清水くんの申し出に驚いた。
凄い積極的…。
だけど、それを聞いた真琴の応えに、もっと驚いた。
「良いわよ。…香澄も、清水くんと連絡先、交換する?」
真琴が降り返って訊いてきたけど、まだよく知りもしない、それも男子と連絡先なんて交換出来る訳が無い。
「私は遠慮しておくわ…」
「香澄って、ホント堅物なんだから…。そんなんじゃ、せっかく可愛いのに彼氏出来ないわよ?…良いわ、清水くん。私の連絡先はコレね」
彼氏って…男の子と仲良くなるには、真琴みたいにすれば良いのね…。
でも私は自分の携帯を取り出す気にはなれない。
男の子とあまり面識が無い私は彼氏作りより、警戒心の方が勝っていた。
真琴と清水くんは手早く連絡先を交換する。
「ありがとう。夏休み中には連絡するから。じゃあ、僕はこれで。2人共、本当に有り難う」
清水くんは初めて見せる笑顔を真琴に向けると、庭を出て行く。
2人共って言ってはいたけど、まるで私のことはおまけみたい。
私は嫉妬した。
大切な親友の真琴にではなくて、会ったばかりの清水くんに。
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