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修学旅行
それから夏休みの間、何度か真琴の携帯に連絡したけど「ごめーん!今、清水くんとデート中だから」と言われて、電話を切るしか無い日々が続いた。
真琴…清水くんなんかと付き合い始めたんだ…。
…って、なんか、なんて思ったらダメだよね…。
真琴は私より清水くんを選んだ訳だし。
でも、私は清水くんに大切な真琴を取られた様な気がしてならなかった。
そんな矢先の夜…私は、恐れていた事態に遭遇する。
両親から「話がある」と言われた時、何となく察しはついていた。
でも、私は真琴から両親から出生のことを言われるまでは今まで通り仲良く、と釘を刺されていたから、敢えて何も知らないフリをしてリビングに行った。
私がリビングに入ると、2人は既に並んで座っていた。
「なあに?話って」
少し白々しいかとも思ったけど、私はそう言って2人の正面に座った。
「実は…お前が20歳になるまでは黙っていようと思っていたんだが…」
お父さんは、そう前置きをして、私に自分達が本当の両親じゃない事を告白した。
私は今更、何て反応して良いのか、解らずに黙って話を聞いていた。
お母さんも言う。
「香澄はまだ3歳だった時に、孤児院から私達の子として譲り受けたの。私達の間には、なかなか子供が出来なかったから…」
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