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と言う事は2人も私の本当の両親を知らない可能性が高い。
「大丈夫。例え血の繋がりが無くても2人は私の大事な両親に代わりは無いから」
私は上手く笑えたか解らない。
でも私は心から思っている事を言えた。
2人に気持ちを…伝えられた。
お母さんは、私を見ると涙をこぼした。
「香澄は…強いな」
お父さんが言う。
いいえ、強くなんかない。
強くなれたとしたら…それは真琴のお陰。
「お父さん、お母さん。これからも宜しくお願いします」
私はそう言って会釈をした。
「香澄…香澄…」
お母さんは、ハンカチを取り出して泣きじゃくっている。
今の気持ちを上手く言葉に出来ないみたいだけど嬉し泣きしてるのは伝わってくる。
「香澄…お前は、私達の自慢の娘だ。世界でただ独りの、な」
お父さんも涙声になりながらも静かに私にそう告げた。
私の両親がこの2人で良かった。
私は初めて事実を知った時とは違う。
世界1の幸せ者だと思った。
そう…この時は。
部屋に戻って真琴に報告しようと思ったけど、今頃、清水くんとラブラブかもしれない。
だから私は電話ではなくて、チャットで真琴宛てに両親とのことを打って送った。
既読にならないところを見ると、やっぱり2人で一緒に居るのかしら…。
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