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私の心に黒い影が刺した。
でも真琴が幸せなら祝福しなきゃ。
真琴だって私の事情を知ったら、自分のことのように喜んでくれるだろうから。
結局、真琴から『良かったね!』と返信が来たのは、翌日の朝になってからだった。
そして夏休みは終わり、学院は2学期を迎えて真琴以外の友達とも久しぶりに会える日々が再び始まった。
両親のことは、私と真琴だけの秘密。
そして、清水くんのことも。
放課後、真琴とは以前より一緒に居れる時間は減ったけど、私達の友情は永遠に共にあると思っていた。
そして、2年生の最大のイベント行事、修学旅行は直ぐ目の前に迫っていた。
「それでは皆で同じ部屋に泊まる班を作って下さい」
担任の女性教諭は、冷酷事務的にそう言う。
実害は無いけど、私はこの先生のことが何となく苦手だった。
私と真琴は女子2人組と組んで、4人の班を作った。
「香澄、真琴!宜しくね!」
女子の1人が私達に笑顔で声を掛ける。
もう1人の女子も真琴に負けず劣らず明るく言った。
「行き先は京都と大阪なんでしょ?私、時代村に行きたいな」
真琴が応える。
「確かにお寺巡りよりは面白いかもね。時代村でウッカリ八兵○に会えたりして!」
私達は笑い声を控えめにあげながら旅行への思いを馳せた。
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