修学旅行

4/10

12人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
そして、修学旅行の初日の朝がやって来た。 真琴とは最寄りの駅で待ち合わせ。 私達は制服姿で、これから集合先の東京駅まで行くのだ。 昨夜、久しぶりに真琴の方から連絡してくれて、「東京駅で迷子になりそう。香澄、一緒に行こう?」と誘ってくれた時は正直、嬉しかった。 理由はどうであれ、私もラッシュの電車には乗り慣れていないから、1人より2人よね。 そして、お母さんに見送られて私は出発した。 最寄り駅には真琴との待ち合わせ時間には十分間に合った。 真琴はまだ来ていないみたい。 私は駅の構内を行き交う人の多さに、人酔いしそうになる。 普段から電車で通学している子達は、こんな中を毎日、通って行くのね…。 真琴が居るとはいえ、電車の中も身動きが取れないんだろうな…。 それだけならまだ良い?けど、押し潰されたりして。 流石に、それは無いか。 そんな事を考えていると、人ゴミから真琴の姿が見えて安心する。 「ごめーん!待った?」 「ううん。私も今、来たとこ」 そう言って2人で切符を並んで買うのに、真琴がどのボタンを押せば良いのか解らないみたいだったから、代わりに押した。 私達の今居る駅からだと何回か乗り換えないといけないから、後から精算するよりも今、目的地の駅の分まで買った方が早いからね。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加