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そして、修学旅行の初日の朝がやって来た。
真琴とは最寄りの駅で待ち合わせ。
私達は制服姿で、これから集合先の東京駅まで行くのだ。
昨夜、久しぶりに真琴の方から連絡してくれて、「東京駅で迷子になりそう。香澄、一緒に行こう?」と誘ってくれた時は正直、嬉しかった。
理由はどうであれ、私もラッシュの電車には乗り慣れていないから、1人より2人よね。
そして、お母さんに見送られて私は出発した。
最寄り駅には真琴との待ち合わせ時間には十分間に合った。
真琴はまだ来ていないみたい。
私は駅の構内を行き交う人の多さに、人酔いしそうになる。
普段から電車で通学している子達は、こんな中を毎日、通って行くのね…。
真琴が居るとはいえ、電車の中も身動きが取れないんだろうな…。
それだけならまだ良い?けど、押し潰されたりして。
流石に、それは無いか。
そんな事を考えていると、人ゴミから真琴の姿が見えて安心する。
「ごめーん!待った?」
「ううん。私も今、来たとこ」
そう言って2人で切符を並んで買うのに、真琴がどのボタンを押せば良いのか解らないみたいだったから、代わりに押した。
私達の今居る駅からだと何回か乗り換えないといけないから、後から精算するよりも今、目的地の駅の分まで買った方が早いからね。
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