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そして2人で、逸れないように手を繋ぎながら、改札口を通り東京行きのホームに並ぶ。
離れたところでは他の班の女子達も見える。
でも人が多い中、声を掛ける事は出来なかったから、私達はお互いに手だけ振り合った。
そうしている間に電車が来る。
私と真琴は人ゴミに押されるように電車に乗った。
すると、その途端。
えっ…?
人の手と思える感触がお尻の下の方に突っ込んできた。
身動きが出来ないのを良いことに、その手は私のスカートをめくり上げて、下着の中に手を入れようとする。
「ま、真琴…。助けて…痴漢…」
私は幸い直ぐ隣にいた真琴に助けを求めた。
真琴は繋いでいた私の手を離す。
次の瞬間、お尻を弄っていた手の感触が無くなったのと、真琴が大きい声を出したのは、ほぼ同時だった。
「こんの痴漢!私の親友に手を出したでしょ?!許さないんだから!!」
私は混んでいて見えなかったけど、真琴は痴漢の手を取り挙げて、鬼のような形相で相手を睨んでいた。
周りも直ぐに気付き、ヒソヒソと「痴漢ですって。やあねえ」と言う声も聞こえてきた。
私に痴漢行為をしていたサラリーマン風の男性は真琴の手を振り解くと、私達を押し除けるようにして、違う車両に行ってしまった。
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