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私が心を乱したまま、真琴の部屋まで来てしまった事に罪悪感を感じた時。
部屋のドアが唐突に開いた。
「香澄?!ドア窓から見たら香澄だったから開けたけど、こんな朝早くからどうしたの!?びしょ濡れじゃない!」
驚いた様な、心配そうな真琴を目にした途端、私の目から涙が溢れた。
「真琴…」
「とにかく上がって!このままじゃ風邪を引くわよ?話は、それから!」
真琴は何か有ると察したみたいで、私を部屋に入れると先ずタオルをくれた。
「それで身体、拭いていて?今、お風呂を沸かすから」
真琴がユニットバスの在る部屋のドアを開ける。
私は真琴に感謝しながら渡されたタオルで髪や制服を拭いた。
お陰でポタポタ垂れてた雨粒はなくなったけど、制服が乾くのは時間が掛かりそう…。
お風呂から上がったら学院に連絡した方が良いかもしれない。
でも、それは真琴の部屋に居させてもらう事になる訳で…。
流石に、それは図々しいかな…と思っていると、真琴が自分の部屋着を持って戻って来た。
「制服が乾くまで、これ着ていて?今日は私が帰って来るまで、ここで休んでいて良いから」
「でも、それは幾ら何でも…」
「家で何も無かったら、こんな時間に、ここまで来ないでしょう?」
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