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「解りました。香澄さんにも、その様に伝えておきます」
真琴はそう言うと「失礼します」と言って電話を切った。
「おばさん、これからウチに来るって。良い機会だから仲直りしちゃったら?」
「え…」
お母さんが真琴の部屋に?
真琴はどうやら私が親子喧嘩して、ここまで来たと思っているみたいだけど…。
どんな顔して、お母さんと向き合えば良いんだろう…。
「何て顔してるの。実の母親でしょう?」
真琴はそう言って微笑んだけど、私はまだ事情を話していない。
「違うの…違うの…」
「何が違うのよ?」
真琴は冷凍庫から氷嚢を取り出しながら熱にうなされている私の言葉に疑問を投げ掛ける。
「私の両親は…冷たっ!」
言葉の途中で氷嚢を頬に当てられて、私の話は途切れた。
「とにかく!おばさんが来たら、先ずは謝る事!良いわね?」
真琴に真実を話して、これから両親とどう付き合っていけば良いのか相談する前に、私はお母さんと会う事になる。
ピンポーン。
真琴が電話してから、さほど経たない内にお母さんは、何やら色々持ってやって来た。
「ごめんなさいね、真琴ちゃん。ウチの香澄が迷惑かけて…」
「いえ、香澄さんには、いつも宿題見せてもらったりして、色々お世話になっていますから…香澄、おばさん来たよ?…香澄?」
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