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その時。
「召喚ってまさかライトノベルとかによく出てくるあのファンタジーの異世界召喚のことですか?」
と、くりくりな目がちょっと可愛らしい中学生くらいの男の子が質問した。
「ん? ライトノベルにファンタジーとはなんだろう? まあ、そう言うことかもしれないな。君達の世界からこのグリーン王国に召喚したんだからな。君達はこの世界に必要な存在だからね」
そして、男性はニヤリと笑い、「申し遅れたがわたしは神様だ」と言った。
「神様!!」
バスの乗客だったわたし達の声がまたまた揃う。
猫も「にゃん!!」と鳴いた。
「そうだよ。わたしはこの世界の神様だ。君達にこの世界をより良くしてもらいたくてね。よろしく頼むよ」
神様は両手を大きく広げ満面の笑みを浮かべた。ってちょっと待ってくださいよ。それって自分勝手じゃないですか? わたしがそう考えていると、
「ワシは嫌だ。君達の王国などワシには関係ない。ワシは日本に帰るぞ」と白髪頭のおじいさんが言った。
その通りだ。おじいさんよく言ってくれましたとわたしは思わず拍手を送りたくなった。
「わたしもそう思うね」と年配の女性も頷く。
「僕はこの世界で生きていくのも良いかも。あ、因みに僕は勇者とかになれるんですか?」
これは先程のくりくりお目目の中学生くらいの男の子だ。
「わたしもこの世界で生きていきたいかも〜」
そう言ってにっこりと笑ったのは高校生くらいのおさげ頭の女の子だった。
そして、わたしはどうしたいの? と自分自身に問いかけてみるけど、答えが出なかった。
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