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「みんな様々な思いがあるようだね。だが、申し訳ないが帰ることはできないよ」
「帰ることができないとは何故だ?」
おじいさんは神様に詰め寄る。
「それはこのバスは片道乗車だからね……」
「は? 片道乗車?」
「うむ。このバスは君達の地球からグリーン王国行きの片道乗車しかできないのだ」
神様は大きく頷きながら答えた。
「それはおかしいじゃないか。だって、神様はこのバスでグリーン王国とやからワシらの地球へやって来たんだよな」
おじいさんは神様に顔を近づけ抗議をする。
「それはわたしが神様だからだ。君達はこのグリーン王国に必要な存在であるしそれに君達はわたしの呼びかけに答えたではないか」
神様は威厳に満ちた顔でわたし達を順番に見る。
「それは……だがしかし」
おじいさんは弱腰になる。
「さあ、諦めてこの世界で楽しく生きることを考えるのだな」
神様の宝石のように美しいブルーの瞳がキラリと輝き青みがかった髪がサラサラと風に揺れた。
わたしは、その瞳と髪を眺め綺麗だなとぼんやりと思った。
「君達にわたしから特別な力をプレゼントしてやろう。この世界を良き世界へと導いてくれ。それと君達も幸せになってくれ」
そして、宝石のようなブルーの瞳が再びキラッと光ったと思うとわたしの気が遠のいた。
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