黄色のバスに揺られ異世界へ

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 真っ白な白猫がふわふわと肉球のある手を口に当ててあくびをしていた。しかもこの猫ってば二本足で立っている。 「あなたは……猫ちゃんですよね?」  わたしは猫に問いかけてしまった。すると、猫は……。 「はいにゃん」と返事をした。  ちょっと、待ってくださいよ。猫ちゃんが喋っていますよね。それにこの猫はどこか変だ。  だって、その可愛らしいお口から普通の猫よりちょっと長い牙がちょこんと飛び出しているんだもん。  それと、この猫は神社で出会い一緒に異世界召喚されたあの猫にそっくりっていうか本人(本猫?)だよね? 「わたしは神社にいた猫だよ。一緒に異世界召喚されてお喋りが出来る力を神様にもらったにゃん」  猫はそう言って嬉しそうににゃぱーと笑った。 「やっぱりそうなんだね……」 「はいにゃん。それと、わたしは神様から安莉奈ちゃんを守り仕える眷属の使命を与えられましたにゃん。それから、猫から聖獣猫になりましたにゃん」 「は? 眷属? 聖獣猫? それにわたしを守り仕えるの?」  わたしは得意げに胸を張る猫の顔をじっと見た。 「はいにゃん。なので、安莉奈ちゃんわたしに名前を付けてにゃん」 「わたしがあなたに名前を付けるの?」 「はいにゃん。安莉奈ちゃんはわたしの主だもんにゃん」
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