黄色のバスに揺られ異世界へ

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 わたしの眷属になったらしいモフにゃーともふもふタイムを満喫していたその時。  ガチャとドアが開く音がしたので振り向くと、シルバーヘアの男性と赤みのあるヘアの西洋人らしき四十代くらいの男女が部屋に入って来た。 「気がついたのね」  女性が柔らかい笑みを浮かべながら言った。その隣に立っている男性もニコニコと笑っている。 「おっ! 気づいたのか。良かったぞ。体は大丈夫かい?」  男性も頬を緩めわたしを見ている。  この人達は一体誰だろう? わたしのことを心配してくれているみたいだけど。 「大丈夫にゃん」とわたしの隣に二本足で立っているモフにゃーが返事をした。 「おっと、猫ちゃんはお話しもできるのだな。可愛いな〜」  男性は頬をだらしなく緩めモフにゃーに視線を向ける。 「はいにゃん。お喋りできるようになりましたにゃん。わたし安莉奈ちゃんにモフにゃーって名前も付けてもらったんだにゃん」  モフにゃーは得意げに胸を張る。 「おっ。そうかそうか。猫ちゃんはモフにゃーか。可愛い名前を付けてもらったんだね」と言った。そして、「それから君はアリナなんだね」と視線をわたしに移し頬を緩めた。 「はい、安莉奈です。わたちどうしちゃったんですか?」  あ、わたちなんて言っちゃった。ああ、恥ずかしいよ。 「アリナちゃん。なんてしっかりしているんだ!! まだ、二歳だよね?」  男性はしゃがみわたしに目線を合わせながらニコニコと笑った。  
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