黄色のバスに揺られ異世界へ

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「おはよう〜お父さん、お母さん」  わたしは食事の間の扉を開けながら朝の挨拶をする。 「おはよう〜俺の可愛らしいアリナよ」  透明感のあるシルバーヘアをかきあげお父さんは頬を緩めそれはもうとろけるような微笑みを浮かべたかと思うとわたしをぎゅっと抱きしめた。 「お、お父さんってば苦しいよ〜」 「おっ、そうかごめんよアリナ」  ジタバタするわたしに謝りながらもぎゅっと抱きしめ続けるお父さん。 「やめてよ〜」と文句を言いながらも本当は嬉しかった。ちょっと苦しいけれど。  だって、わたしを抱きしめるお父さんの肌から温もりと優しさと愛情を感じるんだもん。 「あらあら、お父さんアリナが嫌がっているわよ」  お母さんが目を細めわたしとお父さんを交互に見ている。 「アリナとの朝の挨拶だもんな」  ちょっと低めだけど甘い声でそう言いながらやっとわたしから体を離し、ぽんぽんと頭を撫でる。 「アリナに嫌われないように気をつけてくださいね。さあ、朝食にしましょう」 「わ〜い! 朝ご飯だ〜」 「朝ご飯だにゃ〜ん」  わたしとモフにゃーは両手を上げバンザイをする。
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