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異世界の流行らないたぶん美味しい食堂
「さあ、今日もはりきって料理を作るぞ」
コックコートに着替えたお父さんが腕まくりをして気合いを入れた。
「美味しい料理を作らなくてはね」
ストライプ柄のシャツにエプロンをつけ黒のデニムを穿いたお母さんも同じく腕まくりをする。
一方、わたしとモフにゃーはそんな二人をぼんやりと眺めていた。
「お父さんとお母さんはりきっているね」
「今日はお客さんたくさん来るといいにゃんね」
「お料理は美味しいのに流行らないなんて不思議だね」
「お隣の食堂にお客さんを取られているにゃん」
わたしは木製の丸テーブルに肘をつき頬杖をつく。その丸テーブルの上にちょこんと座るモフにゃーと顔を見合わせた。
「そっか……お隣さんのご飯美味しそうだもんね」
「わたしこの前食べたにゃん。美味しくてほっぺたが落ちたにゃん」
「え? 食べたの! まさか盗み食い?」
「ピンポーンにゃん」
「モ、モフにゃーってば〜わたしも食べたかったなぁ。って違う〜!」
なんてやり取りをしている場合ではなかった。
「さて、わたし達もお手伝いをしなきゃね」
わたしはスチャッと椅子から立ち上がる。
「わたしもお手伝いだにゃ〜ん」
モフにゃーも丸テーブルからにゃーんと飛び降り見事な着地を決める。
「モフにゃーカッコいいよ」
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