異世界の流行らないたぶん美味しい食堂

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 それから待つこと三十分。やっとお客さんがチラホラとやって来た。  お客さんは様々で、近所の人から冒険者にそれから人型と他の動物の外見を持ち合わせる獣人などだ。 「モフにゃーわたし食器を洗いまくるぞ〜」 「頑張ってアリナちゃん。わたしは拭き拭きしまくるにゃ〜ん」  洗い場の前でわたしとモフにゃーは気合いを入れる。 「アリナ、お待たせ〜食器洗いをお願いね」  お母さんが下げ台に食器やグラスなどを置く。 「は〜い! 了解〜」とわたしは元気よく返事をする。  そして、わたしは下げ台から手際よくシンクにどんどん食器を下げる。  因みにこの世界には食洗機は存在しない。なので魔道具の水道を使い食器は手洗いだ。  繁盛店だったら大変かもしれないけれど、ここは流行らないカフェ食堂なので問題ない。  あ、お父さん、お母さん流行らないカフェ食堂なんて言ってしまいごめんなさい。  きっと、いつかお客さんが溢れかえるカフェ食堂になるはずだ。  わたしはバシャバシャゴシゴシ食器を洗う。それをモフにゃーが拭き拭きする。  バシャバシャゴシゴシと食器を洗う作業は好きだ。だって、汚れたものが綺麗になっていくんだもんね。  このカフェ食堂『ほのぼのにこにこカフェ食堂』がみんなから美味しいよと笑顔になってもらえますようにと願いを込めながらわたしは洗い物をした。
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