異世界の流行らないたぶん美味しい食堂

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「綺麗になったお皿は気持ちいいにゃん」  わたしがバシャバシャゴシゴシ洗った食器類を丁寧に拭き拭きしていたモフにゃーだったんだけど、いつの間にか浅めのお皿にミルクを入れそれをペロペロにゃんと舐めていた。 「もう、モフにゃーってばお皿を綺麗に舐め舐めしているんだから〜」  なんて文句を言いつつ可愛らしいモフにゃーにわたしはメロメロだ。ああ、この猫愛が止まらないよ。って言うか猫聖獣愛かな。  ううっ。わたしは愛猫家もとい愛猫聖獣家だ。 「うにゃん? アリナちゃんどうしたにゃん」  お皿から顔を上げたモフにゃーがわたしの顔をじっと見る。そのお口の周りとおヒゲにミルクがべったりくっついている。  ああ、キュートだよ。 「ねえ、アリナちゃんどうしたにゃん?」  モフにゃーはきょとん顔で首を横に傾げる。しかも口から長めの牙がちょこんと飛び出している。  その可愛さは反則だよ。 「モフにゃーズルいよ」 「うにゃん?」 「もう! うにゃんじゃないよ。早く洗い物しようよ」  わたしはほっぺたをぷくっと膨らませぷりぷり怒ってみせる。 「アリナちゃん洗い物は空っぽにゃんだよ」 「へ?」  シンクの中に目を落とすと洗い物がない。全部洗ってしまったんだ。 「お父さん、お母さん早く食器を持ってきて〜」  なんて毎日賑やかにお仕事をしているわたしとモフにゃーだった。
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