黄色のバスに揺られ異世界へ

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 高校生になるとわたしはアルバイトを頑張った。早くこの家から出ていきたい。その思いで一心に。授業が終わると通学鞄を引っ掴み急いでアルバイト先に向かう。そんな日々だった。 「おかえりなさい。タダ飯食いちゃん。いつまでわたしと同じ部屋にいるの?」  最近化粧に目覚めたらしい富菜ちゃんが色鮮やかなチークをぽんぽんとスポンジで頬に塗りながらわたしをチラッと見る。 「高校を卒業したら出ていくよ」 「ふ〜ん、そっか。高校に行かせてもらえて良かったね〜」  富菜ちゃんは意地悪く顔を歪めわたしの顔をじっと見る。どうしてそんな顔をするの? わたし達は血が繋がったイトコだよね……。仲良くしてくれないの?  ただ、高校に通わせてもらっていることは有り難いことだと思うのだけど……。 「高校に通わせないと世間体が悪いからね」 「そうだよな……追い出したなんて言われても困るしな」  と叔母さん達が話しているのを聞いてしまった。  少しでも好かれるようにわたしは笑顔を作ってみたり、お手伝いを率先してやった。  だけど、何をやってもわたしは邪魔な存在でしかなかったのだ。  お父さん、お母さんどうしてわたしを捨てたの?  わたしはただ愛されたいだけなのに……。
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