わたしアリナの親子丼です

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「ねえ、二人はどうして一緒にいるの?」  一番疑問に思ったことを尋ねる。 「あ、それね。あの神様とやらにこのナットーと一緒に木々が生い茂っている場所に飛ばされたのよ。ぽーんって感じでね」 「そうなんだよ。あの神様は乱暴だよ〜」 「へ! そうなんだ。それからずっと一緒にいるの? ちゃんと住むお家はあるのかな?」  わたしは心配になり聞く。 「それは大丈夫だよ。アリナちゃんは優しいね。わたしとナットーは優しい人に拾われたのよ」 「そうだよ。俺達は花屋さん夫婦に拾われたんだぜ」 「お花屋さんに。なんか華があっていいなぁ〜」   お花に囲まれている二人を思い浮かべわたしはほっとする。 「アリナちゃん、なんか頭にお花が咲いてるぞ」 「え? 咲いてるかな〜?」  わたしは頭の上を触りお花が咲いているか確認する。 「あはは、やっぱり幼女みたいだよね。手もなんかぷにぷにしてるもんね」 「仕草が可愛すぎるよな。十八歳なんてあり得ないよ」  サナとナットーは目を細めて笑う。 「だ、だって、わたしこの世界に来てから心も幼女に戻ってしまったみたいなんだもん」  「そうなんだ。そんな感じだよね」 「可愛くていいんじゃないの?」 「う〜ん、でも地球の記憶があるしそれにグリーン王国にやって来て数年経っているんだよ。足し算するとわたし二十一歳になっているんだよ」  わたしって大人な幼女なのと思うと顔が熱くなった。なんか恥ずかしい。
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