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「え?」
泣いている姿を誰かに見られたかもしれないと思うと恥ずかしくて焦ってしまう。ってちょっと待てよ「君を迎えに来たよ」とはこの猫ちゃんをとのことかな?
それだったら嬉しいなと思いわたしは手の甲で涙を拭い声の主を探す。
すると、不思議な光景が目に入って来た。それは……。
一台のバスが停まっていた。それも黄色だ。それになんだかキラキラと輝いているようにも見える。
どうして神社の境内にバスが停まっているの? 神社にド派手なバスって場違いじゃないの?
不思議に思い首を傾げていると、バスから人が降りてきた。その人とわたしの目が合う。まるで宝石のように美しいブルーの目だ。それにこの世のものとは思えないオーラに目を奪われる。
髪の色はひんやりとした青みがかった色合いでサラサラのロングヘアだ。この人美しいけれど、男性だよね?
神社にバスに美しい男性。
「ど、どうなっているの?」と思わず声に出してしまった。
すると、
「君を迎えに来たよ」と返事をするではないか。声の主はこの男性だったんだ。
君をとはもちろんこの猫ちゃんのことだよね? 男性と猫の顔を交互に見るわたしだけど……。
男性の目はわたしを見ているようだ。
そして、もう一度「君を迎えに来たよ」とその男性は微笑みを浮かべながら言った。
「へ?」
わたしをですか!? この男性日本人じゃないよね。わたし外国人の知り合いなんていないよ。
それに外国人とも異なるなんとも言えないオーラが漂っているんですけど。
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