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「わ〜い! やった〜ありがとう。わたしお父さんのスープ大好きなんだ」
日本食ではないけれど、お父さんのスープはキャベツやニンジンにタマネギやお豆をグツグツ煮込み心のこもったスープだ。
わたしはスプーンを手に取る。
「いただきま〜す」
食べる前にチラリと隣の席に目をやるとサナとナットーがスープを食べているところだった。
「なんか優しい味がするね」
「身も心もぽかぽか温まるね」
二人がお父さんの料理を喜んでくれていることがとても嬉しかった。
わたしもスープを口に運び食べた。
キャベツやタマネギにニンジンなどの野菜の旨みがよく出ていて幸せな味がする。お豆も柔らかくてほくほくだ。わたしはにんまり笑顔になる。
「う〜ん、美味しい」
あっという間にスープをぺろりと平らげてしまった。
「アリナ美味しいかい?」
「うん、とっても美味しいよ」
「それは良かった。お父さんはアリナの笑顔を見ることができて幸せだぞ」
お父さんはとろけるような微笑みを浮かべわたしを見る。
「アリナちゃんは幸せみたいだね」
隣の席からサナが声をかけてきた。
「うん、わたしは幸せだよ」
心から幸せだと言える今に感謝だ。
「うふふ、やっぱりそうか。このカフェ食堂に入った瞬間なんだかあたたかいな〜ってわたし感じたもんね」
「俺もあたたかいなって感じたよ」
サナとナットーがこちらを見て笑った。
「サナちゃんとナットー君も幸せかな?」
「うん、わたしも幸せだよ」
「俺も幸せだよ」
二人の返事を聞いてこのグリーン王国に召喚されたことは吉と出たのかなと思った。
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