わたしアリナの親子丼です

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「あ、アリナちゃんどうして笑っているのかな?」 「そうだよ、アリナちゃんどうして笑っているんだよ」   ぷんすかぷんぷんと睨み合っていた二人がほぼ同時にこちらを見て言った。 「だって、本当の姉弟みたいで楽しそうなんだもん。いいなぁって思ったんだよ」   わたしもきょうだいがほしいな。なんか羨ましいな。でも、わたしにだってモフにゃーがいるしギャップも加わったもんねーだ。 「そっかな。この子とアリナちゃんを交換したいくらいだよ」  サナはナットーを指差す。 「な、なんだって! それはこっちのセリフだぜ。サナちゃんとアリナちゃんを交換したいよ。俺、妹ほしいよ」  ナットーもピシッとサナを指差す。  二人は睨み合い、それからわたしに視線を向ける。 「あはは、サナちゃんとナットー君はもう立派な姉弟だよ〜羨ましいくらいそっくりだもん」  「ど、どこが!」 「似てないよ」 「いいなぁ。仲良しで」 「はぁ? 仲良し。この子と」 「はぁ? このワガママ姉ちゃんと」 サナとナットーは口を尖らせた。その表情もやっぱりそっくりだった。何も知らなければ血の繋がった姉弟だと誰もが思うはずだよ。
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