いつか見た虹

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いつか見た虹

 家路に着きながら、俺はリアンと過ごした日々を改めて思い返した。後悔だけじゃなかった。幸せで温かな思い出が甦ってきた。そして俺を満たした。  ふと、散歩道を振り返った。俺の目は奪われた。そこにはいつかリアンと見た時のように、大きく美しい虹が架かっていた。そのはじまりは公園のベンチからだった。 「リアン、さよなら。また会おうぜ」そう俺は呟いた。  リアンの遠吠えが聞こえた気がした。
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