俺じゃない

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俺―如月彰(きさらぎあきら)―は極々普通の男子高校生で。 対して奏汰は成績優秀、運動神経抜群、でも部活は入ってない。その入ってない理由がシングルファーザーの父親を支えるってこと。学校が終わればダッシュでバイトへ向かい、帰宅後は洗濯物を片付け、夕食を作り、風呂の準備をする。 そして父親が帰宅すれば出来たての夕食を出し、父親が風呂に入っている間に洗濯物を回すという家政夫か?!とツッコミたくなるような生活をしている。 成績優秀なのに勉強は学校と夜寝る前の1時間程度しかしてないとか言ってて何度どつき回そうかと思ったことか。 何でこんな細かいことを知ってるかって? そんなの幼馴染だからってだけ。 家が隣で、親同士仲良くて、出席番号近くて、(昔は)成績も運動も同じくらいで。 何をするにしても奏汰と一緒だった。 学校帰りは俺の家に一緒に帰って、夕飯食べて、風呂入って、9時くらいに奏汰の父親が帰って来るからそれに合わせて奏汰も家帰って。 そんな生活してたんだけど高校生にもなれば、それはほとんど無くなって。 昔から俺のほうが高かった身長も、同じくらいだった成績も、運動も、全部全部気がつけば奏汰の方が上になっていて。親に甘えきった生活をしている俺とは違い、自分でお金稼いで、自分で生活して、更には父親までサポートして。 そりゃモテないわけないよなぁぁぁぁぁ… でも俺はそんな漫画に出てきそうなキャラが隣にいたって腐ることはない。むしろすげーっしょ!!俺の親友!!って自慢したくなる。 何の縁かわからないが、小学校こそクラスは違ったものの中学1年から高校2年の今までずっと一緒だ。 でもさすがにそんな俺でも、好きな人の好きな人が親友なのは心が痛いわけで。
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