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第8話『聖剣士リアナ-愛と未来-』YouTubeチャンネル3
夜が明け始めた。
リアナの映像をずっと視聴していたい気持ちを押し切り
「寝るか…」
そう思った瞬間、信じられないことが起きた。
リアナが画面越しに俺の方を見つめたのだった。
「ーーーーッ!!!」
俺は息を呑んだ。
彼女の青い瞳がまるでこちらを見透かすかのようだった。
そして、俺に向かって語りかけてきた。
「長い時間、私のこと見てくれて、ありがとうございます」
「え?」
俺は言葉を詰まらせた。
「あなたが見ているのは、過去の私の姿かもしれないです。でも、私は今も闇帝国の地下牢で生きています」
と、リアナの声が響いた。
可愛らしい声だが
剣士として気高さと決意に
満ち溢れた話し方だった。
俺は驚き、思わず画面に顔を近づけた。
「リアナ、君は…」
リアナの瞳は真剣そのものだった。
これはYouTube動画のはず。
しかし、リアナの瞳が俺を見つめた瞬間
画面の中にいるはずの彼女がまるで現実の
存在であるかのような錯覚に陥った。
いや、実際にリアナはここにいる!
その時、リアナは急に声を詰まらせ
「私のこと、助けて欲しいです…」
か弱い声で訴えてきた。
胸に熱いものが込み上げてくる。
「もちろんだ。 必ず助け出す」
俺は反射的に力強く答えた。
「ありがとうございます」
リアナの瞳に、微かな希望の光が
灯ったように見えた。
安堵したようだった。
「取り乱してしまって、ごめんなさい」
「いや、いいんだよ。辛かったんでしょ?」
「はい...」
リアナの青い瞳は深い海のように澄んでいて、その奥には揺るぎない決意が宿っていた。
一方で表情に悲しみと恐怖を隠しきれないでいる様子だった。
「あなたは私のことをずっと見ていてくれました」
「ああ、ごめん。その…リアナのこと、綺麗な女性だな…と思って」
慌てた俺は頬を
赤らめ、視線をそらしながら
小さな声でつぶやいた。
しかし、リアナはにっこりと笑って
「それを聞いて嬉しく思います」
リアナの声が優斗の耳に柔らかく響いた。
その声には不思議な温かみがあり
彼女の存在を身近に感じさせた。
「ああ、君のことは、本当に綺麗だと思った」
「ありがとうございます」
次の瞬間、リアナの手が画面に触れた。
画面越しにも関わらず
俺は彼女の手が自分の頬に
触れる感覚を覚えた。
リアナの手のひらは柔らかく、ほんのりと暖かい。
その触感は現実のものであるかのようにリアルだった。
「お名前を聞かせてください」
リアナが微笑みながら尋ねる。
俺はその微笑みに心が癒されるのを感じた。
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