九死に一生その1

4/4
前へ
/27ページ
次へ
ある日、いつもの様に、その犬に向かって文句を言って煽っていたら、突然、檻のドアが開いて、ノソリと犬が檻から出てきやがって。 驚いた俺等は、そりゃ一目散に逃げたよ。 でも、小学生の俺等が懸命に走ったって、犬のスピードには適うわけがなくて、あっという間に距離が縮まってさ。 俺は、目の前にあった路地に飛び込んだんだけど、犬の野郎、こっちに向かって方向転換しやがったんだよ。しかも、俺、躓いて転んじまってさ。 もうだめだ!! って思った時、俺をロックオンしてたはずの犬の動きが、急に止まって、後ろを振り返った後、どこかに行っちまったんだ。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加