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人類は、滅んだ。地球温暖化により気候変動が起き、世界は豪雨に見舞われた。
食糧困難に陥り、なす術もなく人類は滅んだ。
そして何十年も降っていた雨が止むと、また新たな生命が生まれていったのだったー
***
甲高いチャイムがなる。
「みんな席につけ〜」
ビルがあり、車のようなものがあり、なんら人間たちと変わらなかった。
「はい、これから歴史の授業始めていきます」
生徒たちは気怠そうに頬杖をついている。
「前回から、人間に入りましたね。教科書30ページ目開いてください」
何やら真っ白いものが写され、「トイレ」「洗濯機」と書かれている。
「人間は服というのを着ていて、洗濯機はそれを洗っていたものとされています」
なんで服なんか邪魔くさいものをまとうのか。
「そしてトイレなのですが、そこに貯められていた水を飲んでいたとされています。上の流すボタンを押せば、更に水が出てくる便利なシステムになっているんですよ。今度実際に体験して、水を飲んでみましょう」
これには生徒も大盛り上がり。
次のページを捲るとそこには文字が、ずらりと並んでいた。
「人類が使っていた文明の利器・ケータイによれば、このような言語を用いていたと分かります。例えばエモいやハッピーハッピーハッピーなどを指します。エモいはおしゃれを意味しますが、ハッピーハッピーハッピーに関しては謎です。ハッピーハッピーハッピーは二つに分類され、男が腕をブンブン振り回すタイプと、猫のタイプが存在します。」
「ふーん… やっぱ人間語ってむずいんだなぁ」
再来月には人間語のテストが控えている。勉強しないと当分覚えられそうにない。
「更にぴえんやタピるなどを、死語というそうです。ぴえんの表情を選びなさい、という問題はでがちなので、よーく覚えておくように」
「ふむふむ…」
生徒たちは懸命にメモを取り始めてる。そこで一人の優等生が、挙手をする。
「先生、チピチピチャパチャパというのも聞いたことがあるのですがそれは?」
「ハッピーハッピーハッピーとまとめて猫ミームと言いますが、それはもう少し後で出てきます。よく知っていましたね〜」
古語の勉強は一通り終わって、次の内容に入る。
「そして次に、耳かきです。これを耳に入れ込むと…」
「はぁ、気持ちいい…」
生徒たちは唸りながら、夢中で耳をかいている。
「材料のコットンというものが、水に濡れたりして採取しづらいんです。今はものすごい値段で取引されているので、皆さん貴重な経験だと思っていてくださいね。」
「はーい」
もういつの間にか、時計の針が40分に差し掛かっている。恐らく次で最後だろう。
「みなさんお供えというのを知っていますか?食べ物や花が置いてあって、誰でも自由に取ることができます。ポテチの塩加減が足りない人は無料でかけられるし、ジュースやテンバツまで用意されている場合もあります。実態は不明ですが、テンバツを食べすぎると腹を下すそうです。」
「そうなのか。僕たちにも取り入れればいいのに」
キーンコーンカーンコーン…
あっという間に授業が終わり、号令がかかる。
人間って変な生き物だ。
***
多分今受けている歴史も、当事者からするとこんな感じなのでしょう(?)
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