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しかたないなぁ。 という声が聞こえた。 甘い匂いがする。 なんとか目を開ける。 五人の人がいる。 保健所行く前に流石に何か食べさせてやるかぁ。 目の前の容れ物の中にあったのはコーンフレークに牛乳がかかってふやけたもの。 甘い匂い! 食べもの!! 夢中で食べた。 おいしいおいしいおいしい!!! 最後の最後まで残してなるものか、とキレイになめとる。 なんだ、こいつ目ぇばっかりおっきくてガリガリじゃないか。 首輪してるよ? 首輪、なんか袋も結んである。 捨て犬? なんにしても、保健所連れて行かないとなぁ。 …。保健所かぁ。飼い主…みつからないよなぁ…。 うちじゃ飼えないわよ? えー、だめ? 生きもの飼うって大変なんだから! 命を預かるってことだからなぁ。簡単じゃないぞ。毎日食べさせて散歩だって行かなきゃいけない。 ぼく、いくよ! あたしもするよ。 最初だけじゃないんだ。一生だよ? うんちだってするんだぞ? ちゃんとする! …。まずは、保健所につれていこう。 会話が聞こえる。 とにかく食べることができたことにホッとして、もう、なんでもよかった。
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