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雨降って
キラン、コロン
雨上がり
カラン、クルン…
また逢えたね…なつかしい…
きらん…ころん…
そこでハッと目が覚めた。
あれ?今何かの夢を見てたと思ったんだけど、なんだったっけ…
頭を振って目を擦る。
縁側のガラス戸から外を見ると、まだ雨が降っていた。今日は一日雨だったようだ。
「ま、梅雨だしね」
独りごちて欠伸をする。
「あら舞ちゃん、起きちゃったの?もう少し寝てていいのよ」
台所から祖母が顔を出した。
「もう目が覚めたから起きるよ」
柱時計を見れば五時少し前。うん、充分寝たな。
「これから夕飯?私作るよ。お婆ちゃんはお爺ちゃんのとこにいなよ」
すると祖母は声を落として
「いいのよ、私にはご飯作るのが気分転換なの。ずっとお爺ちゃんといるとい…退屈だから」
と茶目っ気のある笑顔で言った。
本当は『息がつまる』と言おうとして、変えたのだろう。
気付かぬ振りをして
「じゃあご飯出来るまで私が見てるね」
そう言って祖父の寝室に行った。
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