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「やー!本当綺麗ですねぇ!姉ちゃん、これめっちゃ大事にしてますよ!」
棚にあるプリザーブドフラワーを見ながらうっとりしていたアカは姉にテンション高く話していた。
「綺麗でしょ?浩一は色々センスあるのよ。昔っから一人で籠りがちだけど」
姉にそんな風に言われるとも思わずなんかこそばゆい。
「本当センスヤバいですっ!これもスゲー!しかも、うちの姉ちゃんとリリさんが同級生とか!もう偶然ヤバいっ!!」
姉とアカのお姉さんが同級生?
そこから繋がってこの取材になったとは……。
だって、“R・B”の取材が姉が言っていた取材と一緒だなんて……誰が想像できた?
「本当!偶然っ!!だから、うちも取材されるなんて嬉しいし、このチャンス掴みたいのよ!」
「そうなると……浩一さんに交渉……ですよねぇ」
こっちに向く気配を感じて、俺はドアにある小窓から慌てて離れる。
まぁ、向こうからは見えない仕組みだからそんな必要もないのだが。
てか、アカに名前呼ばれたっ!!
認識されるなんて……ヤバくないか!?
てことはアオも……いや、ってか!!
……俺、さっきアオに頭触られた……。
「ヤバ……」
思ったら急に自分の頭に触れることさえおこがましく思えてくる。
ずっとあの声が好きだったけど……俺が見上げるくらい身長も高くて、綺麗な真っ黒の瞳。
低いあの声で言われた『すみません』……思い出したらドキドキが止まらなくて動けなくなった。
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