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「本当に顔出ししたらもっと再生数跳ね上がるんじゃない？」
「いやぁ、俺らは大学生だし、普段は普通に生活したいんで」
姉が聞くと、アカは笑顔で答えて一度撮影を止めた。
「っし、じゃあそれぞれとびきりの一枚……な？」
サッと動画を確認してからアカが顔を上げるとアオはあくびをしながら頷く。
このローズガーデンを回ってそれぞれが写真を撮ってきて、その写真でまた雑談をするらしい。
アカとアオ、それぞれの目がここで何を捉えて何を写すのかは確かに気になる。
「ね、二人ともめっちゃイケメンな上にイケボでしょー？ゲームも上手でおもしろいのよ？」
不意に声がして跳ね上がると、姉がニヤリとした。
二人をただ眺め過ぎていて近づいて来たことに気付かなかった。
「……知ってる」
「あ、配信見てみた？」
そのままアオの行く方を見つめていると、姉はわざわざ俺の目の前に立ってニヤリと笑う。
避けてアオの背中を目にしてホッとすると、
「……やっぱりアオとはどんな関係？」
姉にニヤニヤされてギロリと睨んでおいた。
まだ怪しい関係だと思われているらしい。
「あのなぁ、どっちも名前さえ知らな……」
「アカは赤間信也くん。アオは井ノ上蒼一くん」
遮って名前を教えられてもどうなるってものでもないのだが？
「いいよ？私の推しはアカだったけど、アオでも応援してあげる♡」
どんな思考回路でそんな発言になるのだろうか？
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