第22話 初めての討伐

1/1

12人が本棚に入れています
本棚に追加
/28ページ

第22話 初めての討伐

魔法学院に真面目に通っているおかげで魔法が上達した・・と言いたいところだが・・。 知識は増えたと思う。 魔法はそうでもないかも。 回復魔法を覚えて、初級なら使える程度。 火の魔法とか水の魔法なら他のクラスメートの方がよっぽど上手い。 得意分野が違うのかもな。 ポーション作成なら誰にも負けない気がする。 何だか地味~。 俺は寮で今日もポーション作成に勤しんでいた。 「オーシャン大変だよ!」 バタンとドアを開けてロココが入って来た。 「ギルド登録したのっていつだっけ?」 「半年くらい前かな?」 「今すぐ行かないとまずいかも」 何が? 俺はロココに引っ張られてギルドへ向かった。 「期限切れまで3日ですね。」 顔なじみのラウニーさん(ギルド受付女性)に言われた。 え?ギルドカードって期限あるの? 「早く気が付いてよかった。まだ間に合いますね。あ、でも薬草採取は無いかもしれません。」 俺が冒険者初心者なのをよく分かっているようだった。 「依頼受けないと、取り消されちゃうって聞いたんだよ。そしたら、もしかして・・と思って。」 「取消されると再発行に金貨10枚かかります。」 たっか。 でも、俺学校あるんだけど? 「学校休んじゃえばいいよ。一日くらい大丈夫だよ。」 ラウニーさんが言うにはモンスター討伐の依頼しかないらしい。 俺、やったことないんだけど。 「スライム退治とかいかかでしょうか?5匹倒して、魔石を持ち帰れば依頼達成になります。」 俺はスライム討伐の依頼を受けることにした。 武器も何も持っていないので急遽購入することにする。 「明日、頑張ってね~。」 俺はロココと別れた。 近くの武器屋に入って初心者おすすめという品を買う。 何を選んだら分からないからだ。 「軽い剣と、盾と防具でいいか。」 生活費一か月分・・使ってしまった。 寮に帰って休む。 明日は初めての討伐。 スライムだけど。 「痛いのは嫌だな。」 幸いにも回復ポーションあるし怪我しても平気なのだが。 怖いものはこわい。 頑張って火魔法とか、水魔法習得しとけばよかった。 今になって後悔する。 **** 次の日の朝になった。 他の人は学校に行く中、俺は全く違う道を行く。 貰った地図を見ながら、スライムを探す。 「確かこの森の方だと思ったけど・・。」 湿ったところにいるらしいので、岩陰とか木陰とかを探してみる。 べちゃ 変な音がした。 木に何かいるようだった。 ねっとりとして半透明な物体。 「あれが、スライムか。」 動きがゆっくりなので、助かった。 昨日買った剣で刺してみる。 ザクッと手ごたえがある。 うわ~なんか嫌かも。 2,3回剣で突いたらやっつけられたようだ。 早く終わらせよう。 生理的に苦手だ。 依頼は5匹だったから近くにいた数匹をやっつけた。 「ふう~。」 慣れない剣っていうのもあって疲れるな。 何とか魔石5個を取れた。 早くギルドに行こう。 初めての討伐で精神的にも疲れた気がする。
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加