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「こーんにちは」
デザイン部に、英理奈がやって来た。
「倉原さん、こんにちは」
南海雄が対応する。
「どうした?」
「課長から頼まれて、巽さんにサルプル届けに来ましたぁ」
「そうなんだ。じゃ預かっておくよ」
南海雄は英理奈から段ボール箱を受け取ると、それを奏亮のデスクに置いた。
「黒澤さんと早瀬さんだけなんですねー」
英理奈は帰ろうとせずにデザイン部に残るが、成は無視してパソコンで作業する。
流石に昼時間のせいか、成もメガネだけでマスクは着けていない。
「昼休憩は結構こんなもんよ」
仕方なく南海雄が答える。
「あ、黒澤さん!私、良いお店見つけたんですよぉ」
「渡瀬と行くって店の話?」
仕方なく成は反応した。
成が響の苗字を呼び捨てにした事に、英理奈はピリッとなる。
「はいッ。ビアガーデンなんですけどぉ、お料理がすっごく美味しいんですぅ」
「へぇ。倉原さんの行きたい所で良いんじゃない?渡瀬もそれを望んでたし」
どうしても響の名前が出ると、英理奈はイラっとくる。
「そう言えば、早瀬さん、渡瀬さんとランチしてましたよねん」
英理奈が南海雄に話を振った。
「相良主任の企画の件で、渡瀬さんと顔見知りになったしね」
「聞きましたぁ。早瀬さんのアメニティ、楽しみです」
「ありがとう」
成が余りにも素っ気ないので、英理奈が早く帰らないかなぁと南海雄も流石に思って来た。
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