第六十話 もやっとする日常〜レジ編〜

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第六十話 もやっとする日常〜レジ編〜

最近リセット症候群のさとこさん。 こんな時は神経が研ぎ澄まされ、日常の些細なことも気になってしまう。 今回は身近なお店のレジでの出来事を掲げてみよう。 ①個別会計小銭ピッタリ払い 食事に行った時度々見かける、グループで会計をわける者たち。 お金をきっちり管理しているのはまぁいいとして、混雑時にこれをしているとさとこは 「はぁ?」 と思ってしまう。 アンタ達だけじゃないのよ会計してるの、後ろ見なさいよ! 心の声が届くはずもなく。 しかも小銭を何度も財布から取り出して、ちょっきり支払う。 随分時間かかってるじゃないの! 老後同盟組は、周りや店の人に配慮して食事に行っても誰かがまとめて払い、あとで精算するパターンをとる。 レジに誰も並んでおらず、店がヒマな時間帯ならまだしも、ランチやディナータイムのピーク時にこれをするのは非常識じゃないかと。 感じているのです。 まぁ店によってはグループ内おまとめ会計でお願いしているところもあるが。 もやっ ゆるせない症候群とまではいかないが、 他人のことをとやかくいえる立場ではないが ちょっともやっとする出来事でした。 ②レジ係研修中 スーパーに買い物に行くと、時々レジ担当は研修生です、と張り紙がしてある時がある。 フレッシュでいいわね、がんばれっ 心の中でエールを送ったりする。 ふと張り紙をみると、この文面。 『ミスのないよう慎重に作業しているため、時間がかかる場合もあります』 その言葉が、少々引っかかった。 もちろんミスなく仕事できるのは素晴らしいことだけど、新人なら少なからずちょっとした失敗とかあるんじゃない? そういうことを経て人は成長していくものじゃないの? 日本は必要以上にミスが悪事という風土がある。 だけどそういう余計なプレッシャーが、ミスが怖いからってレジ係をやろうと思う人が減っての人手不足とかにならないかしら。 まぁセルフレジとかも増えてるけど。 教育者らしくそんなことを考えてしまう。 むしろ新人なので温かく見守っていただき、何か不具合ありましたら他スタッフにお声がけください、対応させていただきます。くらいのほうがいいと私は思うんだけど。 普段見守っている子ども達も、親から完璧を求められ失敗を極度に恐れるようになると、何かに挑戦することをやめてしまう。 その業種で許される範囲のことなら、 失敗を恐れず思いきってやってごらん 後始末は上の者がすればいいんだから そう言ってもらえる環境なら、人は成長できるはず。 もやもやっ そんなことを思いながら、母親に頼まれた大根と白ネギをエコバッグに詰めるのだった。 ③コンビニでレシート さとこの家の近所のコンビニは、時間帯によって接客応対の差が激しいところだった。 深夜早朝は神対応、夕方〜夜は随分ずさんなので、あまりその時間に行くことはなかった。 夕勤のチャラくて若いメンズが、さとこは苦手だった。 耳にはピアスつけてるし、髪はロン毛。手首にはパワーストーンのブレスレットをジャラジャラつけている。 よくこれで面接受かったな 余程募集しても応募がなかったのか そんな思いがよぎる。 コンビニに行くと、なぜかレシート渡してくれない場合が多い。 おそらくレシートいらないって言われることが多いからだと思うが、その他大勢と一緒にしないでほしい。 私は家計簿つけてるんだから 「レシートください」 なんでこちらから言わないといけないんだろう。 それは領収書だからアナタのではなく私のものなのよ。 毎回そう言いたいところをぐっと抑える。 そしてこのチャラ男、なぜかレシート渡す時片手で出してくる。 それがさとこは気になって仕方ない。 ぶっきらぼうに片手で何か渡されると、無言の圧も感じるし、不機嫌に渡された印象がある。 せめてもう片方の手を添えるかしたら丁寧なのに。 毎回片手で渡されるレシートに もやもやもやっ とするさとこさん。 他の人はこんなこと気にならないのかな 私だけなのかな そう感じることもしばしば でもね それがあなただから。 社会や日常で感じる小さな違和感から 目を背けることなく 自分の信念を貫いていく。 他の誰もがまねできない、 あなただからできること。 なのでこれからも 自信をもって 進んでちょうだい。 老後同盟の 咲希も忍も 今のあなたがもちろん大好きよ。 そして、そんなあなたがいいと まるごと受けとめてくれる人と この先出会うかもしれない。 あなたは、あなたでいいんです。
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