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勇気100%
勇気100%ととはいかずとも、兄ちゃんの謝る気持ちが大切になるだろう。
ぼくはK君に連絡することにした。
〜〜〜〜〜〜〜〜
次の日の次の日、K君を小学生のグランドに呼び出した。
N君も来てくれるよう頼んだ。
K君とN君がグラウンドで待っていてくれた。
そしていつものグラウンドに二人の姿が見えた。
不自然なほどじっと動かずにいる二人の前に行くと彼らの目の前に立つ。
兄ちゃんはK君に謝った。
頭を下げた。
「すまなかった。」
深々頭を下げた。
周囲の期待を裏切った、失望させたという懸念。
深く息を吸い込みゆっくり吐き出した。
K君は唇をギュッと結ぶと葛藤を口にする。
「とんでもない事になったなあー。ぼくも大変だったよ。怒ってるパワ〜が違った方にいったなぁ~。」
険しい表情の彼は嘘つくでもなく、言い訳するわけでもなく、そのまま立っていた。
K君たちは僕たち二人を見下ろしていた。
ぼくは…といえば、理解するために思考を寄せ集めた。
まるで答えが書いてあるかのように手のひらを見つめる。
試合に勝った日も負けた日も、僕たちは汗臭い土の匂いのするグラウンドをかけていた。
監督さんのもとで僕たちは成長していた。
それなのに…今、K君の目も見ず、自分たちのワガママで生きていた。
不自然なほど三人は動かずじっとしていた。
じっと何かに耐えるよう唇を噛んでいた。
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