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天高く
K君は重い口を開いた。
「ぼくも頑張ってたんだ…」
兄ちゃんはブンブンと頭を振った。
兄ちゃんはK君に言った。
「あの時そう言えたら良かった…」
K君も頑張ったって…
K君も頑張ったなぁ…って
そう言えたらよかった
「俺は何してたんだ」
兄ちゃんは頭をうなだれる。
「悪かったよ、ぼくが…」
彼は近づき兄ちゃんの目の前に立った。
突然、重い口を開いた
「はるき…」
彼は、返事を聞くまでもなく、握手を求めてきた。
素早く兄ちゃんは立ち上がる。
胸に手のひらを押し付けるように握手を求めた。
冷たい風が少し心地よく感じられた。
そして見上げた空は、天高く繋がっていた。
K君も心の底ではこの機会を待っていてくれた。
そう思う
僕たちの関係はスレ違い、傷つけ合った
そして今…
繋がった気がした
僕たちは同じ悩みを抱え、これからも仲良くしていくだろう…
いや、これまで以上にお互いのことを考え、生きていくだろう。
K君がいたからはる兄がいる。
はる兄がいるから皆もいる。
すべてうまくいくと信じたい。
希望を持って進んでいこう
西の方には真っ赤に燃えるデッカイ太陽が見えた。
壮大な自然の姿だった。
壮大な自然の姿の前の僕たちは
ちっぽけな僕たちだけど
僕たちの今の心は、充実感、満足感、のパワーがみなぎっていた。
「なぁー、この次の試合、はるきも必ず来いよ。」
「おーう。」
ぼくら四人は、デッカイ太陽に向かって歩いていた。
〜〜〜〜〜〜〜〜
僕たちは、次の週の試合に全員出席で試合にのぞんだ。
土の匂いがかんじるグラウンド。
帰ってきてよかった〜!!
ピッチャー、一球投げてストライク!!
バッター、打ったぁ~!!
はる兄は、集中力が高まっていく。
いけるぞ〜。
打てるぞ〜。
「K君いけるぞー、頑張れー。」
はる兄はさけんだ。
天高く、さけんだ。
天高く。
おわり
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