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教会から出て、私は戸惑った。
「あら、久しぶりね。ヒーリング専門の魔法使いさん」
ニヤっと笑うのは、学校時代の同級生。
「ひ、さしぶり……」
まさか、彼女も?
そんな話は聞いていなかった。
「しかしねえ。攻撃が使えないあなたが、何で呼ばれたのかしら」
あの時と同じで、意地悪に笑う彼女。
私は、何も言えない。
黙って、彼女を見つめていると。
「……ミーアさんは、俺が呼びました。戦闘には、ナイトもいます。二人でも事足りますが、町長があなたも連れていくように言うのでパーティに加えたんですよ。他に何か質問は?ルーリア・パイソンスミス嬢」
アギルト様……。
庇ってもらえたことを、嬉しく感じてしまう。
「失礼、いたしました」
憎々しげに私を睨みながら、ルーリアはそれだけ言った。
「では、出発しましょう」
言って、歩き出す彼を追いかける。
「あの、ありがとうございます」
「いえ。あなたは何も悪くありませんから。胸を張ってください」
そう言って、アギルト様は笑顔を向けてくれる。
「はい……!がんばります」
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