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やっぱり、彼女に突っかかって来たか。
予想はしていても、怒りが湧いた。
彼女は優しいから、反論出来ないのを分かっていて……。
咄嗟に俺も、ルーリアに対して酷いことを言った。
だけれど、それは俺の本心でもある。
「ありがとうございます」
横で呟くように言う彼女への、愛しい気持ち。
あなたは、覚えていないかもしれないけれど。
俺は、あなたの魔法に救われたんですよ。
遠いむかしに。
幼少の他の記憶は曖昧だけど、その想い出だけは……。
鮮明にいまも、ハッキリと、おもいだせる。
あなたに、恋心を抱いた日なのだから。
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