ヒーリングしか使えない魔法使いはお嫌いですか?

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可愛い。 ミーア・コルトウェッソン。 君のこと、俺はずっと知っていたよ。 控えめで、優しいところ。 笑顔が素敵なところ。 ヒーリングでみんなを癒すところ。 栗色の髪の毛を、風に遊ばせて歩く姿。 長い睫毛、手入れされている白肌。 ジャンプーの香り。 近くを通る時に、風に乗って香ってくる。 俺は、君が好きなんだ。 『アギルト様。本当に彼女で宜しいのですか?』 町長に聞かれた。 パーティメンバーの選択は、かなり重要だと。 そんなことは、わかり切っている。 選択ひとつで、生死が分かれるのだから。 だけれど、俺は彼女を連れて行きたかった。 俺の我儘で、彼女が危険な目に遭うかもしれない。 『町長。彼女じゃなくちゃダメなんですよ』 彼女を、必ず護る。 だから……、傍にいて欲しい。 分かっている、これは俺のエゴだ。 『あなた様がそういうのなら……』 町長は、不思議そうにそう言った。 『ありがとうございます。町長』 『では、早速ミーア・コルトウェッソンに手紙を送ります』 『はい』 ミーア・コルトウェッソン……。 君は、俺の光なんだ。
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